印刷用紙の種類について
デジタル化で紙の需要は減っていますが、世の中には色々な紙が存在します。実は、紙の種類は数千種類以上もあります。今回は印刷物としてよく使われる、代表的な4種類の用紙を説明させて頂きます。
塗工紙と非塗工紙
代表的な4種類の用紙の紹介前に印刷容姿の分類としてご紹介しておきます。印刷用紙は塗工紙(とこうし)と非塗工紙(ひとこうし)に分けられます。
塗工紙とは?
表面に塗料を塗布し、美感や平滑さを高めた紙。主に印刷に用いられます。非塗工紙と比べ、光沢があり、インクののりがよく、着色効果が高いため、高級な印刷物に適しております。紙の片面を塗工する場合と、両面を塗工する場合があり、印刷用では両面に塗工するのが一般的です。コート紙とマットコート紙は塗工紙で印刷物の品質を高めるための表面加工を施しています。
非塗工紙とは?
一方で、非塗工紙はその状態のままで使用します。用紙の原料には、主に化学パルプと機械パルプが使用されています。化学パルプは漂白などの化学処理が施されているのに対し、機械パルプは、漂白などの処理が行われていないため、用紙の白色度がさがり、目が粗いのが特徴です。上質紙は非塗工紙で白色顔料を塗工していない表面加工なしの原紙になります。
代表的な用紙 4種類
コート紙
ツヤのある用紙です。フルカラー印刷において最も多く利用される紙で、表面に光沢があり、カラーの再現性が良い為、写真などの色の表現に向いています。
- 特徴:光沢あり
- 色の再現性:◎良い
- 用途:ポスター、チラシ、パンフレットなど
マットコート紙
マット調のコート紙で、しっとりとして落ち着いた高級感があります。無光沢の仕上がりです。無光沢のマットコート紙の方が光沢コート紙より厚さが出ます。
- 特徴:光沢なし
- 色の再現性:◎良い
- 用途:ポスター、チラシ、パンフレットなど
上質紙
表裏ともコーティングされていないパルプ100%の用紙です。一般的なコピー用紙やノート等に使われ、鉛筆やボールペンなどの相性が抜群です。
- 特徴:光沢なし
- 色の再現性:△コート紙と比べて色味が沈みます
- 用途:コピー用紙、ノートなど
色上質紙
上質紙をベースに着色した用紙です。一般的には色紙と呼ばれている元々色が付いた用紙です。鉛筆やボールペンなどの相性が抜群です。冊子の表紙やチケットなど幅広く使われています。
- 特徴:光沢なし
- 色の再現性:×用紙自体の色が影響されます
- 用途:冊子の表紙、チケットなど
紙の厚さについて
同じ種類の紙でも、色々な紙の厚さがあります。印刷用紙においては「上質70kg」や「コート135kg」と表されています「上質」は用紙の名前、「70kg」は斤量になります。斤量とは用紙の厚さを示す単位で、kgで表示します。その意味は何もカットしていない原紙が1,000枚のときの重さ(kg)です。数字が大きいほど厚く、小さいほど薄い用紙になります。※同じ斤量でも用紙が異なると厚さは異なります他には感圧紙、板紙、包装用紙などもあり、用途や印刷方法によって種類がありますのでまたの機会にご説明したいと思います。
紙と言っても様々で用途によって合う合わないがあります。ただ、「パンフレットを作ろう!」と思っても紙によっては印象がガラリと変わります。阿竹印刷では様々な種類の紙を用意してありますので、気になる方は是非とも手に取って触ってみてください。