誌面の下や横、上にいることも?!存在感はないけど、無いと困る「ノンブル」
みなさん、こんにちわ!
本を読むときにページ数を調べるためだったり、また印刷工程においてページの順番を間違えないために必要なもの、それがノンブルです。今回は、普段意識することは少ないけれど、重要な役割を担うノンブルについてご紹介します。
ノンブルとは
書籍やカタログなどがもし近くにあれば、誌面を確認してみてください。
下部や本を開く側の余白部分に、ページ数が記載されていると思います。
これを印刷出版関係の業界用語で、ノンブルと言います。
言葉のルーツは、フランス語で数をあらわすnombre(英語のnumberに相当)に由来しています。
ページの順番を間違いなく並べるためにも、ノンブルは重要な役割を担っています。
一般的には最初のページから順番にページ番号が振られる「通しノンブル(追いページ)」が採用されています。
しかし、ボリュームが多い本では、目次や索引を本文とは違うノンブル表記にする、章ごとに別の番号を振るなど、「別ノンブル」形式が用いられることもあります。特に書籍類では目次や索引、章扉を別ノンブルにして、本文のはじまりを1ページ目とする場合が多いようです。
隠れたノンブルがいる!
また通常は、表紙や裏表紙は表1~表4とし、ページ数に含まないのですが、表紙を1ページ目と数えるケースもあります。
その他、中扉や奥付、広告など、ノンブルが印刷されていないページも少なくありません。
このようにページ数に数えつつ、ノンブルを付けないことを「隠しノンブル」と呼びます。
漫画や雑誌などで目にすることが多いのではないでしょうか。
ノンブル=ページ数ではない??
本を読む側であれば「ノンブル=ページ数」と捉えても問題ないのですが、出版・印刷に携わる方、冊子制作を考えている方にとってはそうはいきません。
重要なのは「ノンブル=ページ数とは限らない」ということ。
仮に、ノンブル=ページ数と考えるなら、表紙もページとして数えると、表紙の次のページは必ず「2ページ目」となってしまいます。
ですが、実際は、本文のどのページからノンブルを始めるかは、決まりはありません。
「ノンブル=ページ数ではない」という認識が必要です。
ノンブルの設定は、冊子の構成や読み手へのわかりやすさを考慮した上で、作り手の感覚により付けられるためいくつものパターンが存在します。
表紙をめくって開いた右側(右綴じの場合は左側)1ページ目から順にノンブルが付いているのが最もシンプルで迷うことが少ない配置ですが、その他によく使われるノンブルの開始例(左綴じの場合)を3つ紹介しますので、通し番号とノンブルの違いに注意しながら、参考にしてください。
本文の最初に章ページなどの扉が来る場合は、扉ページにはノンブルを付けず、章内の本文が始まる、
次のページからノンブルを記載する場合もあります。
表紙の後に謝辞や挨拶などの扉や、目次ページが挟まる場合は、その後に始まる部分から通し番号でノンブルを付けたり、
本文開始ページ(1ページ目)としてノンブルを付ける場合があります。
表2と呼ばれる表紙の裏面から内容を始める場合は、表2も本文の一部と捉えて、1ページ目のノンブルを表2に割り当てる場合もあります。
まとめ
ノンブルは、あくまでも脇役。
あまり主張しすぎず、はっきりと認識できる書体やサイズで表記する必要があります。
アラビア数字はもちろん、ギリシャ数字や漢数字などの利用も可能です。
また数字だけではなく、「-3-」、「【3】」のように飾りを付けたものもあり、これをひげ付きノンブルと言います。
いかがでしょうか。
雑誌やカタログ、マニュアル等を読む時、どこに配置されているのか、どんな書体が使われているのかなど、本の「名脇役」ノンブルに注目してみるのもおもしろいかもしれません。