オフセット印刷で使う印刷用インクについて
印刷業界では慣例として「インク」のことを「インキ」と呼ぶ人が多いです。名前の由来はオランダ語の「Inkt」で、インクを日本に初めて持ち込んだのがオランダだったことから呼ばれるようになったそうです。
今回はオフセット印刷で用いられる「オフセット用インキ」についてご紹介します。
環境に配慮したインキについてもご紹介しますね。
成分
オフセット用インキは、顔料、ワニス、助剤の3つから構成されています。
以下でそれぞれの成分について説明させていただきます。
○顔料
顔料とは色材の一種で、水や油に溶けず、定着剤を加えて塗ることで色が着く性質を持っています。
また、素となった物質の違いによって、有機顔料と無機顔料とに分類されます。
有機顔料は石油などから合成されたもの、無機顔料は天然の鉱石や金属の化学反応によって得られるものとなっています。
○ワニス
合成樹脂や植物油などを溶剤に溶かしたもので、インキの転移や密着を助けたり、光沢を与えたりします。
○助剤
乾燥促進剤や皮膜強化剤などのインキの乾燥や定着を補助するものです。
インキの種類
オフセット用インキは用途によって使い分けができるように様々な種類があります。
以下でその内のいくつかをご紹介させていただきます。
○プロセスインキ
プロセスカラーを表現するのに必要となるC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4インキのことで、これらを重ね合わせることで一定の限界こそありますが、所定の全色を再現することができます。
○特色インキ
色調を忠実に再現するために特別に調合したインキです。
プロセスカラーでは再現しきれない色幅の印刷ができるだけではなく、金銀や蛍光色などの表現も行えます。
○耐光インキ
紫外線による退色に耐性を持たせたインキです。
店頭ポスターや選挙ポスターなどの屋外掲示物を太陽光による退色から守るために使用されます。
通常のインキと比べて耐光性には優れますが、鮮やかさで劣るという短所もありますので用途によって使い分ける必要があります。
○減感インキ
ノーカーボン紙(感圧紙)の複写伝票において使用されます。
発色してほしくない部分に減感インキで印刷をすることで、紙に塗布された薬剤を吸収し、発色作用を喪失させることができます。
環境に配慮したインキ
近年、環境に配慮した印刷用インキも注目されています。今回ご紹介させていただきますのは植物油インキです。
植物油インキとは再生産可能な大豆油、亜麻仁油、桐油、ヤシ油、パーム油等植物由来の油、及びそれらを主体とした廃食用油等をリサイクルしたインキです。
植物油は、石油系の溶剤に比べて生分解性があり、VOC(大気中で気体状となる有機化合物の総称)の排出もほとんどなく、環境負荷低減に貢献しています。現在ではオフセットインキにも対応しており、弊社でもほとんどの印刷物を植物油インキにて印刷しております。
いかがでしたか??
今回は「オフセット用インキ」についてご紹介させていただきました。
用途にあったインキを使い分けることで、お客様のご要望に沿った印刷物に仕上げることができます。
もし何か質問・疑問等がおありでしたら、弊社営業担当までお気軽にご相談くださいね。