広告物における写真の使用や撮影時の注意点とは
パンフレットやカタログなどの様々な広告物に写真を使用することで、商品やサービスの訴求力が高まるなど効果が多くあります。
一方で、写真にも画質やデータ容量の問題で使用出来なかったり、他者の写真を無断で使用すると肖像権や著作権の侵害につながる可能性があります。
ここでは広告物制作において写真で問題となりやすい「肖像権」と「著作権」について簡単に説明します。
また、撮影時のポイントもありますので、広告物へ使用する場合の参考にしてください。
写真の「肖像権」と「著作権」についての注意点
パンフレットやチラシ、カタログなど、広告物に写真を利用する場合は、その権利問題の処理に注意が必要です。
特に他人が撮影した写真を利用する場合、許可なく使用すると著作権侵害に問われるリスクがあるのです。
ここでは写真と著作権侵害について解説します。
◯撮影した写真の「著作権」は撮影者のモノです
一般的に写真の撮影者は、撮影した写真に関して著作権を有します。
その写真を撮影者に無断で複製、改変、公表することは著作権侵害にあたります。
つまり他人が撮影した写真を広告物などで利用する場合は、写真の権利者である撮影者(カメラマン)や写真提供会社から使用許諾を得る必要があるのです。もし無断で使用した場合には、写真の削除を依頼されたり、損害賠償を請求される場合がありますので注意しましょう。
◯写真がネット上で公開されていても使用許諾は必要
広告物への掲載は「公衆への提供」に該当するため、事前の使用許諾が必要です。
たとえネット上に公開されている写真であっても、ダウンロードやスクリーンショットしてパンフレットに無断で利用できるわけではありません。
単にそれは撮影者が自身のホームページで利用したり、企業が自社の紹介を目的としているだけであって、その使用を許諾しているのではないからです。また、その写真が違法アップロードされた可能性もあり、やはり権利者への確認が必要です。
◯写真の「肖像権」にも注意が必要です
写真自体以外にも、その被写体には「肖像権」という権利が発生します。
肖像権とは、誰かの顔・容姿などを無断商業目的で使用することを禁止する権利のことです。
もし広告物で他人の顔写真や姿が写った写真を掲載する場合は、その本人や代理人の承諾が必要になります。
特に有名人の写真や企業のイメージキャラクターの場合は肖像権侵害で訴えられるリスクが高いので特に注意が必要です。
◯写真のトラブルを避けるためには
これらのように写真のトラブルを回避するために、フリーの利用が認められたフリーライセンス対象の画像の使用を検討することも大切です。
多くの写真素材サイトでは、ライセンスを明示した上で有料または無料で使用可能な写真が提供されています。
ライセンス条件を満たせば、多数の魅力的で高品質な写真を自由に商用利用することが可能です。
イメージ通りの写真が手に入らない場合には、これらのサイトから適切な手続きで導入することをおすすめします。
印刷物で写真を掲載する際の注意点とは
せっかく広告物用に写真を撮影したのに、「この写真は使用できません。」
なんて言われてしまうことのないように、撮影時に注意してもらいたいことをまとめました。
是非とも参考にしてください。
1.被写体の写り方
被写体がはっきり、明るく、大きく映っている写真が一般的に受け手への印象が良くなります。
写真によっては色味を鮮やかにしたり、明るくするなどの修正は可能ですが、実際の仕上りは徐々にわざとらしくなってしまいます。
写真のレイアウトの関係で被写体が切れないように少し引いて撮影するのをおすすめします。
2.被写体以外のプライバシーに配慮する
撮影時には、通行人や周囲の情報や業務上の秘密が写り込まないよう注意しましょう。
写真の「肖像権」と「著作権」にて説明しましたが、写りこんだ人物などにも権利が発生することがあります。
その場合には、権利者とのトラブルの原因にもなってしまいますので、ご注意ください。
3.カメラの焦点(ピント)が合っているかに注意する
撮影時に携帯を使われることが増えています。
その場合によく発生するのが、手振れや連写機能によるピントのズレです。
ピントが合ってない写真は、被写体がボヤけてしまって、広告物には使用できない場合があります。
カメラを固定したり、その防止機能を使って撮影してください。
4.画像の解像度
通常、印刷物で使用する場合の写真の解像度は高めに設定する必要があります。
目安としては300dpi(解像度の単位)以上が推奨されています。
もし写真に解像度が足りないと印刷出力時に画像がぼやけてしまうことがあります。
5.データ容量
撮影した写真を印刷会社に手配する場合には、データ容量に関しても大きすぎると印刷用のデータとして受け渡しに不向きになります。
一回にデータ送付する場合には3〜5メガバイト程度(あくまで目安)までにデータを圧縮するなどの対応で受け渡しがスムーズになります。
写真は広告物を魅力的にする有効なアイテムです。
上手に写真を使うことで、魅力的で受け手への印象を高めることができます。
権利関係のことや撮影時のポイントに注意しながら広告物への写真を選ぶことをオススメします。