印刷物の見積りを解説します~はじめての広報担当者さんへ~

「初めて印刷物を発注することになったけれど、何を伝えれば見積りが出せるのか分からない…」そんなお悩みを抱えていませんか?
印刷物の見積りは、発注する目的や条件が明確になるほど正確かつスムーズに算出することができます。

今回は、印刷会社に見積りを依頼する際に必要な基本項目について、わかりやすく解説します。
1.印刷物の種類(用途)
まず大切なのは「何を作るのか」です。パンフレット、チラシ、ポスター、名刺、冊子など、印刷物の種類によって仕様も費用も大きく異なります。また、その用途を明確に伝えると、用紙や加工の提案もしやすくなります。
例)
●商品紹介の三つ折りパンフレット
●展示会用のA2ポスター
●店頭配布用のB5チラシ など



2.仕上がりサイズ
仕上がりサイズは見積りの基本情報です。
A4、B5、A3などの規格サイズだけでなく、変形サイズについても対応ができますのでその場合には、寸法(mm単位)をお伝えください。
例)
● A4(210mm×297mm)
● B5(182mm×257mm)
●変形サイズ:200mm×200mm

3.印刷部数
何部印刷するかによって、1枚あたりの単価が変動します。
部数が多いほど、印刷単価は下がる傾向があり、枚数によっては最低料金となることもあります。「予算内で何部できるか知りたい」という相談も可能です。
例)
●500部/1,000部/5,000部 など

4.用紙の種類と厚さ
用紙には「コート紙」「マット紙」「上質紙」など多くの種類があり、それぞれ質感や発色に特徴があります。
また、紙の厚みは「kg(キログラム)」で表記されます。用途に合った用紙を選ぶことで、印刷物の印象が大きく変わります。
例)
●コート紙 90kg(光沢あり、チラシ向き)
●マット紙 135kg(光沢控えめ、パンフレットに人気)
●上質紙 70kg(筆記性が高く、申込書に適する)
5.カラー or モノクロ、片面印刷 or 両面印刷
印刷の色数や印刷する面の数も費用に直結します。色数では、一般的には「フルカラー(4色)」「特色印刷(1色〜2色)「モノクロ(1色)」が選ばれることが多いです。面の数は片面印刷か、両面印刷かで価格が異なります。
例)
●表面カラー/裏面モノクロ
●両面フルカラー
●片面モノクロ印刷


6.加工の有無
読み手に合わせて面数を増やす「折加工」、冊子などに用いる「綴じ製本」、保存に便利な「穴あけ」、切り取りミシン目、表紙のPP加工など、印刷後に必要な「後加工」も見積りに影響します。数量をわけるための「仕分け作業」なども承ります。
例)
●三つ折り加工
●中綴じ製本(冊子)
●マットPP加工(表紙に高級感を出す)



7.納品先・納期
配送先や納期によって、送料やスケジュールが変わります。 「○月○日までに会社へ納品希望」と具体的に伝えましょう。複数箇所への納品が必要な場合も事前に共有が必要です。
8.データの有無(デザイン作成の要否)
「完全データ入稿」か「デザインから依頼」かでも費用は大きく異なります。「Word」、「Excel」、「PDF」などのデータについては印刷が不可能な場合もあります。データを送っていただければ、こちらで確認させていただきます。
例)
●Adobe Illustratorで作成済みのデータを支給

●手描きのラフしかないので、デザインも依頼したい

●印刷の色あいが厳密なモノを印刷したい

9.その他(より良い製品をつくるために)
上記のような仕様情報と一緒に、使用するシーン・仕上がりイメージなどを合わせてお伝えいただけると、こちらからも適した提案がしやすくなります。
●結婚式での特別な招待状を作りたい!目立たせるDMを作りたい!
⇒ 蛍光色の提案、金・銀・ニス加工の提案 など
●宝飾品などの高級ブランドのグッズ制作を頼まれた!印刷物に高級感を出したい!
⇒ 表面の傷がつかず、触り心地のあるマットPPの提案 など
●屋外用のポスターで長期間放置できるポスターを作りたい!丈夫な店内ポスターを作りたい!
⇒ 印刷用紙に耐光・耐水性のある素材の提案 など


●環境に配慮していることを製品でも体現したい!(企業イメージの向上)
⇒ 再生紙、FSC認証紙の提案、VOCインキの提案、絵柄の提案(SDGZ、インキ量削減) など
まとめ

いかがだったでしょうか。
今回ご紹介した内容を具体的に印刷会社へ伝えることで、正確で迅速な見積りが可能になります。
「こういう場合はどうすれば?」というご相談も、ぜひお気軽にご連絡ください。
初めての方にも丁寧にご案内いたします。