印刷における「黒」の表現方法の違い(データ作成時には注意が必要) 

印刷における「黒」の表現方法の違い(データ作成時には注意が必要)_サムネイル

一般的なオフセット印刷では、カラー印刷の場合はC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(黒)の4色を使用し、様々な色を表現しています。

詳しくは過去のコラムをご覧ください!!

色の表現について
色の表現の話

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特に黒色(K)には「スミベタ」、「リッチブラック」、「4色ベタ」と呼ばれる3種類の印刷による表現方法があり、それぞれに特徴を持っています。

みどりちゃん

今回は3種類の黒色の表現方法の特徴をご紹介いたします。
是非とも参考にしていただければと思います。

1.「スミベタ」

スミベタ_サムネイル

K(黒色)のみを使用して表現された黒のことを「スミベタ」と言います。

「スミベタ」は印刷時に見当ズレ(4色が重なり合う予定がそれぞれ別々に印刷されてしまう現象)という印刷ミスを発生させるリスクがないので、細かな文字や細い線を印刷するのに適しています。
一方で、オーバープリント時には下の模様が透けて見えてしまうことがあるため、広範囲の塗りつぶしには適していません。
これはモニター上でチェックしただけでは判別が非常に難しく、実際に印刷する段階で発覚することが多いので注意が必要です。

スミベタでの見た目の違い

2.「リッチブラック」

リッチブラックのサムネイル

「リッチブラック」とは、CMYKの4色を重なり合わせた黒のことです。
一般的にはC:40%、M:40%、Y:40%、K:100%の比率の印刷の密度が推奨されています。
色を重ね合わせることで深い黒を表現し、オーバープリント時でも下の模様を透けさせずに印刷することや、広範囲のベタ塗りに適しています。
色を重ねる関係上、印刷時に見当ズレが発生するリスクがあり、細かな文字やベタ抜きの白文字などを印刷するのには適していません。

スミベタとリッチブラックの違い_サムネイル

3.「4色ベタ」

4色ベタのサムネイル

CMYKの4色を全て100%の比率にて印刷した黒が「4色ベタ」です。
「リッチブラック」よりも更に深い黒を表現できますが、インキを大量に乗せるので乾燥不良や紙の裏面まで模様が映る等のトラブルが発生しやすいため、印刷では基本的には推奨されていません。
CMYKの合計値が360%を超える場合は印刷に適さないと判断し、修正する印刷会社も多いので、濃い黒を表現したい場合でもインキ量の合計値をこれ以下に抑えるようにするのが良いでしょう。

まとめ

みどりちゃん

今回はカラー印刷における黒色の表現方法についてご紹介させていただきました。
デザインにふさわしい黒色の表現方法を使い分けることで、お客様のご要望に沿った美しい印刷物に仕上げることができます。
もし何か質問・疑問等がおありでしたら、弊社営業担当までお気軽にご相談ください。

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