オンデマンド印刷とオフセット印刷の違い
印刷物をご注文頂く時に印刷方式にオンデマンド印刷、オフセット印刷のどちらか選択する機会があります。一体どちらを選択したらよいのかと思うことございませんか?今回はオンデマンド印刷とオフセット印刷の違いをお話ししたいと思います。
- 1. オンデマンド印刷
- 2. オフセット印刷
- 3. オンデマンド印刷のメリットは?
- 3.1. ①小ロット・小サイズの場合は低コストになります。
- 3.2. ②短納期が可能になる。
- 4. 逆にオンデマンド印刷のデメリットは?
- 4.1. ①品質がオフセット印刷と比べて多少落ちます。
- 4.2. ②大ロットの場合、コストが高くなる
- 4.3. ③一定サイズ以上に向いていない
- 4.4. ④特色指示が難しい
- 4.5. ⑤特殊紙、厚紙などが印刷しづらい
- 5. オフセット印刷のメリットは?
- 5.1. ①大量生産ができる
- 5.2. ②高精度高品質
- 5.3. ③大きいサイズの印刷が可能
- 5.4. ④様々なインクを使った印刷が可能
- 6. 逆にオフセット印刷のデメリットは?
- 6.1. ①製版費用・刷版費用が必要になる
- 6.2. ②納期が長くなる
- 6.3. ③多種小部数の印刷に向かない
- 7. まとめ
オンデマンド印刷
オンデマンド印刷は、印刷に版を使用せず、直接印刷します。 簡単に言うと業務用の高性能なレーザープリンターやインクジェットプリンターによって印刷する方法の事です。「オンデマンド」=「要求に応じて対応」の意味から、とっており、お客様の要望に迅速に対応する印刷方法です。
オフセット印刷
オフセット印刷とは、凹凸のない板を使用する一般的な平版印刷のひとつです。旧来の大きな機械を使う印刷で大量生産用の印刷方法です。平板の画線部(版に転写した部分)を親油性、その他の部分を親水性に分け、インクが画線部のみに付着し、版につけたインクをブランケット胴(ローラー状のもの)に転写(オフ)してから、用紙に印刷(セット)する方法の事です。
オンデマンド印刷のメリットは?
①小ロット・小サイズの場合は低コストになります。
印刷をするための版を作成する必要が無いため、安くなります。ただ数量が多くなると割高になります。オンデマンド印刷とオフセット印刷の枚数の分岐点はあくまでも参考としてA4チラシでいうと1000部程度になります。
②短納期が可能になる。
製版作業にかかる時間がない分、翌日印刷など短納期が可能になります。(商品の数、サイズによって異なります)
逆にオンデマンド印刷のデメリットは?
①品質がオフセット印刷と比べて多少落ちます。
オンデマンド印刷は版を利用しないぶん、色の精度や品質はオフセット印刷と比較すれば多少劣ります。また、熱で圧着するぶん、写真の濃い色などが比較的ぎらぎらして見えたり、テカリが生じることがあります。ただしオンデマンド印刷機の品質はかなり向上しており、一般的な印刷であれば遜色ない程度の印刷は十分に可能です。
②大ロットの場合、コストが高くなる
大ロットで印刷を行う場合、1部あたりの印刷コストはオフセット印刷に比べて高くなります。
③一定サイズ以上に向いていない
一般的なオンデマンド印刷機はA3大以内の印刷領域として作られておりB3 A2サイズ以上の大きな紙を印刷することはできません。ただしポスター用の印刷機で対応は可能ですので詳しくはお問い合わせください
④特色指示が難しい
オンデマンド印刷機にはC・M・Y・K以外の特色を使った印刷機能がないものが多く、厳密に決まった指定色は印刷できません。
⑤特殊紙、厚紙などが印刷しづらい
凹凸のある紙やボール紙などの厚紙、コピー用紙よりも薄い紙は印刷機に通らなかったり印刷がかすれたりします。
オフセット印刷のメリットは?
①大量生産ができる
部数比ではかなり低コストで印刷することができます。
②高精度高品質
オフセット印刷は有版印刷であり、版も磨耗しにくく、色ブレが少なく高精度・高品質の印刷が可能です。
③大きいサイズの印刷が可能
オンデマンド印刷機と比べてオフセット印刷機はかなり大きな機械の為、菊全判サイズ(636×939mm)といった大きな用紙に印刷することが可能です。
④様々なインクを使った印刷が可能
基本的にC・M・Y・Kでしか印刷できないオンデマンド印刷機と違い、オフセット印刷機はC・M・Y・K以外のインキに対応しており、金色や銀色、透明インクや蛍光インクなどを使った特別な印刷にも対応可能です。
逆にオフセット印刷のデメリットは?
①製版費用・刷版費用が必要になる
オフセット印刷は有版印刷のため、まず製版作業を行う必要があります。当然ながら版そのものの費用および、製版用のデータに変換するための費用や、版を焼き付けるための作業費が必要になります。
②納期が長くなる
製版作業及び印刷に関わる準備を行わなければならない分、余分に作業時間が必要になります。
③多種小部数の印刷に向かない
製版・刷版費用や工程ごとに人の手がかかるために、1000部未満程度の小ロット印刷ではコストがかかりやすいという問題があります。また、チラシ100枚ごとに電話番号を変えるなどの一部を変更するような印刷物には、1種類ごとに版を作る必要があるためやはりコストがかかってしまいます。
まとめ
いかがでしょうか。数量、印刷物、納期によってオンデマンド印刷、オフセット印刷にどちらが向いているか変わっていきます。オンデマンド印刷に向いているのは1000部未満の小部数のパンフレットやチラシです(A4サイズ以下)。特に小ロット多品種の印刷は安価な印刷が可能です。たとえば、送り先ごとに名前を差し替える必要があるダイレクトメールなどは、オフセット印刷よりオンデマンド印刷のほうが安価で早く印刷できます。特に名刺などの小サイズで100枚単位の印刷物はオンデマンド印刷が向いています。
オフセット印刷に向いているのは、大量印刷を行う折込チラシやパンフレット、ページの多いカタログや冊子類などです。また、品質が重要な写真集などはオフセット印刷に向いています。弊社は、オンデマンド印刷機、オフセット印刷機の両方を設置しております。
オンデマンド印刷とオフセット印刷では印刷の仕組みが違うため、どちらがいいとは一概に言うことはできません。お客様のご要望される印刷物によってよりよいご提案をさせて頂きます。
ご不明な点がございましたら何なりとご相談くださいませ。