印刷・校正で役に立つ「校正記号」のご紹介
社内報や会報誌原稿の社内確認や印刷会社との校正時に、こんな経験をされたことはありませんか?
●修正指示を書き込んだが、間違って伝わってしまった。
●修正指示を見落とされてしまった。
●校正紙の指示だけでは分からないと印刷会社の人に言われ、口頭で説明をすることが多い。
そんな失敗や伝達ミス、手間をスッキリ解消してくれるのが「校正記号」です。
校正記号とはJISで規定された、校正紙に修正指示を入れるための記号で、「全国共通」で使われています。
校正は原稿と校正刷りを比較対照して誤りを修正指示したり、組版を修正指示したりする作業です。
また、原稿の間違いを訂正する機会でもあります。
印刷物の校正には是非使用してください。
専門的な内容ですが、ちょっと知っておくだけで役立つことも!
今回は代表的な部分をご紹介しますね。
作業前の確認事項
校正記号に入る前に、間違いや見落としを防ぐための必要な注意点2点をご紹介します。
◆赤色のボールペンで目立つように書く!
鉛筆や黒色のボールペンは不適当です。
マジックペンやクレヨンのような太さのあるものや、蛍光マーカーのような色の薄いものも不適当です。赤色のボールペンが最適です!
◆誰が見ても理解できるように、具体的に丁寧に書く!
指示が自分にしか解読できないものや、小さくて見落としやすい場所に書いてあるのでは意味がありません。
この2点を心がけて校正の際には赤入れしてみてください。
では、いよいよ本題の校正記号について解説いたします。
今回は校正時に使用頻度が高い誤字脱字の修正や改行位置の変更など、基本的な校正記号の使い方と意味をご紹介します。
修正されるべき文字を明確に、右上に引き出して近くの余白に記入
どの文字を直すかを明確にし、丸で囲むのもいいと思います。
元の文字が読めないくらい塗りつぶすのは不可です。白い修正ペンで消して上から書き込むのも不可です。
どれを直すのかわからなくなります。
2文字以上のときは最初と終わりの文字に斜線を上書きして間の文字を横線で上書きします。または文字列を囲みます。
修正指示を取り消すのは元の位置の近くの余白に「イキ」と書き込み、修正内容を線で上書きし取り消します。
文字の削除はトル
不要な文字があるときは文字の修正と同じように引き出して「トル」と記入します。
文字の上に線を上書きしただけでは削除していいのか迷います。校正指示は原則としてカタカナで記入します。
トルは通常後の文字が追い込まれます。明けたままにしたいときは、「トルアキ」と書き込みます。
紛らわしい場合には添え書きしてください。
文字を挿入
文字を挿入するときは挿入する位置にyのように線を記入して、挿入する文字を余白に書き込みます。
句読点を挿入するときもわかりやすいように<を付けて記入します。
改段と改行
段落改行(略して改段)は行を変えて更に段落始まりの字下がりをします。通常は1字下げることになります。
改行は段落始まりの字下げはしません。改行をやめて前行に続けるときは行頭字下げのスペースは削除して続けます。
文字位置の修正
文字位置の修正指定は上記のように使います。
字間や行間を広げる、詰める。紛らわしい指示は丸囲み
空き量等を表現するには1文字の大きさを基準に表現します。
1文字分は全角、1/2文字分は二分(にぶんまたはにぶ)と表現します。字間や行間がない状態をベタと言います。
字間がひろがっているのを通常の字間にするには字間ベタと記入します。半字分あけたいときは二分アキと記入します。
文字を入れ替える
文字をくるむように記入します。
書体の指定
書体の指定は右のように指定して,明朝体にするには「ミン」、ゴシック体にするには「ゴシ」などと記入します。
最後に
このほかにも記号はありますが、校正記号を使わなければならないというわけではありません。
できるだけ簡潔にかつ適切に指示記入できる記号として活用してください。
校正作業は「間違ってはいけない!」「見落としてはいけない!」と集中力が必要とされる工程です。
校正を出来る限り最小限で終わらせるためにも基本的な校正記号を覚えて、失敗や間違いのリスクを減らしましょう!