大量の印刷物のカッティング(カット)する時はどうするの?
印刷業界では、紙をカット(切断)することは断裁作業と言い、断裁作業のための専用の機械を断裁機と呼んだりします。
今回は普段ではなかなかお目にかけないその断裁(カッティング)作業についてご紹介します。
断裁機とは、このような機械です。
断裁機のサイズは横幅3m、奥行き3m、高さ2mぐらいあります(当社に設置の機器の場合)。
機械の間口に紙類を入れると、上部より刃が落ちることで紙類を断裁します。
非常に高い精度で特定の寸法に合わせて大量の用紙を均一に断裁することができます。
事故防止のために安全のためのセンサー、安全装置も搭載されています。
いろいろな目的で行う断裁作業
断裁の作業の良し悪しにより印刷工程で大きく作業効率が変わってくることがあります。
弊社では以下のような点に注意して断裁をしています。
◯直角出し
印刷業務を行う前にも製紙会社から入荷された印刷前の白紙をカットする時に、紙の四方の直角を出す事がとても重要です。
印刷する白紙の直角が出ていないと曲がって印刷され、その後の製本作業で折り加工や、正確な製品に仕上げる際の手間が増えるなど工程にも大きく影響します。印刷現場では印刷前の白紙の段階での直角出しは、生産活動を円滑に進める上で非常に重要とされています。
◯化粧断ち
印刷物の余白部分を切り取り、製品として完成させるための断裁を指します。
印刷物を指定の寸法に仕上げるために、非常に高い精度が求められる作業であり、熟練された技術が必要になります。
その日の湿度や温度による用紙の収縮や紙の目の流れ、刃先の厚みなどの影響でズレが生じないように神経を使います。
◯中間化粧断ち
大量の枚数を印刷する場合には、1枚の大きな用紙に複数ページをまとめて印刷することで、印刷回数や手間を減らす”面付”と呼ばれる手法で印刷します。そのため、紙を折ったり、綴じたり加工する場合には、サイズを合わせるための中間工程として断裁を行います。
そのための断裁を中間化粧断ちと呼びます。
◯四方断ち
印刷物の四辺(上・下・左・右)すべてを断裁して仕上げる加工方法のことです。
この工程は、冊子やパンフレット、チラシなどのデザインにフチがない場合の仕上がりを美しく整えるために行われます。
多くの場合は、フチの部分の外側にも、絵柄を引き伸ばす“塗り足し”という処理を行って印刷されます。
このように製品として仕上げるためにカットする場合でも、さまざまな断裁作業を繰り返すことで、製品として完成します。
最後に・・・
断裁とは紙を切る一工程にすぎないと思われるかもしれませんが、製品の仕上がりの美しさや使用感を引き立てる上でも、不可欠な作業といえるでしょう。
ぜひ 我が社の製品を手に取って仕上がりを実感してみてください。